背番号「1」のリードオフマン
―今季から新しい背番号「1」を背負っていらっしゃいますが・・・。
福田:背中なので、自分では見えない(笑)。でも、写真とかでは見られるわけで、自分が望んでいただいた番号なので、気に入っています。
―なぜ、「1」番なのでしょう?
福田:僕、奇数が好きで(笑)。偶数よりは・・。
―これまでは「4」。偶数でした。似合っていましたよ。
福田:そうですかね。なんか「4」番は、体が大きな選手が背負うというイメージがあったので。僕としては、シャープな感じがする、「1」とか「7」とかが好きで。良い番号をいただけました。
―まぁ、打順も1番ですから・・。
福田:正直、打順にこだわりはないです。2番でも、3番でも任せてもらった打順で。ただ、打順に応じて、打つ“スタイル”は変えるつもりはないですが・・・。
―昨シーズンはリードオフマンとしての福田選手が機能しました
福田:そうですね。後ろにつなごうという意識を強く持ってプレーした結果です。とにかく塁に出る、という意識ですね。
―以前、福田選手は打率プラス1割の出塁率を目指していると、おっしゃっていました。
福田:はい。打率3割なら出塁率は4割。ですが、4割を目指すには相当数の四球が必要になってきますよね。本音はヒットを打ちたい(笑)。四球を積極的には狙っていくわけではない。だから、今は打率プラス1割という出塁率にはこだわらないようにしています。
粘り強さという武器
―福田選手の打撃スタイルを語る際、その粘り強さに触れないわけにはいけません。
福田:実は僕の打撃の基本は“好球必打”なんです。自分が狙ったボールをしっかり仕留めるというのが理想です。勿論、勝負の中で追い込まれてからは、喰らいついていこうという意識が強くなって、ボールをできるだけ体の近くまで呼び込んでスイングする。ポイントギリギリまで我慢して打つというスタイルになりますから・・・。打てるボールが来るまで、結果としてファウルになることも多くなりますね。
―意識して、相手投手に球数を多く投げさせているわけではないということですね。
福田:その通りです。早いカウントでも、しっかりボールを捉えられれば、それが一番ですからね。ただ、相手も、打たれまいと投げてくるわけで、打てるボールをいかに待てるか。ただ、ファウルにも良いものと悪いものがある。早いカウントでのファウルは、自分が狙って行った中でのミスショットもあるわけで・・・。相手のウィンイングショットをなんとかしのぐファウルとは全く意味が違います。
―ただ、そんな粘りが相手に与えるダメージは小さくない
福田:そうかもしれません。相手との勝負の中で、相手に嫌なイメージを与えることは大切ですからね。僕のことを粘り強いと思わせることができれば、優位に立てるわけで・・・
キーワードは忍耐力
―では、ズバリ、福田選手にとっての“粘り”とは何でしょう?
福田:そうですね。粘りとは“忍耐力”だと考えます。それは、決して派手ではなく地味に思える基本をしっかり繰り返し行えるということで培われるものだと思っています。このスタンスはプロに入ってから今日まで変わることはありません。自分のスタイルを貫き通すための忍耐。それこそが、僕の粘りの原点なのだと思っています。
―今季はどんなシーズンにしたいとお考えですか?
福田:自分のやるべきことを徹底するということ。自分のプレースタイルに拘りながらも、しっかりと成長してゆきたいですね。イメージとしては、ヒットをより多く打って、塁上を駆け回る。守備でもしっかり守るということ。とにかく基本を大切にして、自分が理想とするスタンダードを追い求めたい。それが粘り強さということになるのでしょうね。忍耐力で頑張ります(笑)。
(取材/構成:大前一樹)